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January 21 - 28, 2011
寄稿 村田忠夫さん
今回の私の旅の目的地は、エクアドルの西1000キロに浮かぶ赤道直下の
火山群島で希少な生き物があふれるガラパゴス諸島でした。1835年にイギリス
人チャールス・ダーウインが、ガラパゴス諸島に生存する動植物の調査を念入り
に行い、それが「進化論」の着想を得ることになったのは有名です。
その他、エクアドルの首都キト(Quito)やエクアドルの最大商業都市グアヤクイール
(Guayaquil)にも立ち寄りました。
旅の日程は、2011年1月21日から28日までの8日間で、イリノイ大学、
その他5大学の同窓会に所属する32人のメンバーが参加しました。旅の1日目
は、全米各地からの参加者が、キトで現地集合しました。その後2日間キト市街
地や近辺をバスで観光しました。キトは赤道直下に位置していますが、アンデス
山脈の中腹(標高2850メートル)にあるため、気候は比較的涼しかったです。
旧市街は、世界文化遺産に登録されていて、スペイン風の建物や庭園が見事でし
た。
キトの北23キロの地に赤道記念碑があり、線の右側が北半球、左側が南半
球と表示されています。そこから一望できる標高5790メートルのカヤンベ山
(Cayambe)は、世界で唯一赤道が山の頂上を通っていて、その頂上の雪景色は
なんともいえない素晴らしさでした。この一帯の山々は、ワスカラン国立公園と
して世界遺産に登録されています。
キトから北へ約150キロの位置にあるオタバロ(Otavalo)という町にも行きま
した。そこには、先住民族の市場の一つであるオタバロ・マーケットがあり、特
に女性好みの個性的で魅力的な手織りのスカーフ、セーター、バッグ、帽子、ミ
トンらの民芸品が売られていました。
三日目は、キトから一時間半程の飛行時間でガラパゴス諸島
に渡り、クルーズ船に乗り、サンタ・クルス島に行きました。そこには数多くの生物が生息してい
て、ゾウガメ、イグアナ、ペンギン、アシカ、アオアシカツオドリ
、ベニイワガ
ニ、キイロアメリカムシクイという珍しい黄色い小鳥らを見ることが出来ました。
不思議なことに、殆どの野生動物は観光客が近寄っても恐
れず、人も 同類の野生動物だと思っているのかもしれません。
ガラパゴス諸島は、約500万年前に海底火山の噴火によってできたものと考
えられ、13の代表的な島と100以上の小さな岩島からなる火山群島で、現在
5つの島に約5万人が住んでいます。ちなみに、最後の噴火は2009年4月だ
ったそうです。そこは、フンボルト寒流が近くを通るためか、赤道直下の熱帯地
域でありながらも、さほど暑くはありませんでした。晴天の昼下がりは日差しが
強く感じられたのですが、曇りや雨降りの時は、ジャケットが必要なくらいに肌
寒く感じられました。気温は一年を通じて華氏68度から80度くらいで、海水
温は華氏72度から77度くらいとのです。
四日目・五日目は、ガラパゴス諸島の中でも最も人気スポットといわれるバル
トロメ島のピナクルロック(小尖塔)
を訪れました。その山頂からの景色は、土
産店らで売られている絵葉書には必ずと言っていいほど見られる絶景だといわれ
ています。島のあちこちには、浸食によってできた奇妙な形をした岩石と溶岩が
見られました。
ゴムボートでピナクルロックに近寄ると、沢山のペンギン、アシ
カ、アオアシカツオドリ、イグアナが、まるで我々を歓迎してくれているように
思えました。そこで、シュノーケリングという水中メガネ・シュノーケル・足ヒ
レをつけて水面を浮かびながら水中探索をする海の遊びを楽しみ、海底透視船で
様々な珍しい生物を見て、日頃経験することがない海での活動を満喫しました。
他の島を訪れて林の中を散策していると、僅か2メートルの距離でオスのグン
カンドリが
メスに求愛をしているところに遭遇しました。その独特な求愛スタイ
ルは、真っ赤な喉袋を一生懸命に赤い風船のようにパンパンに膨らませていたの
です。ちなみに、その袋が大きければ大きいほどメスに受け
が良くてモテるという話をガイドから聞き、微笑ましく思ったものでした。
六日目は、大きなゾウガメ(Giant Tortoise)が生息している場所に行きました。
成長したゾウガメと海ガメ(Green Sea Turtle)は、平均体重約150キロ、体長1
メートルもあり、寿命は100年余りの長寿と聞いています。
七日目の午前中は、ダーウイン研究センター内にあるカメの養殖所とエクアド
ル国立公園内にあるコトバクシ博物館を見学しました。ここでトゲがないサボテンを見ました。普通のサボテンは外敵から守るためにトゲが
あるのですが、その外敵(動物)のいないガラパゴスの島のサボテンは(進化して)
トゲがないそうです。午後にはエクアドルの最
大の商業都市であるグアヤクイール(Guayaquil)へ飛行機で約一時間半かけて移動
しました。そこで数時間市内観光をしていた時に、町の中心にある広場で野生の
イグアナが数十匹戯れているのを見て驚きました。イグアナは、観光客が近づい
ても恐れるどころか、反対に我々に近づいてきたのです。そ
れは、サンタ・クルス島の生物達と同じように、人は彼らの仲間だと思っている
ように見えました。
旅の最終日は、グアヤクイールに宿泊し、翌日マイアミ径由で楽しかった旅の
思い出を抱えて、無事シカゴに戻ってきました。
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